タイピング練習ソフトの販売動向と利用状況
ゲーム性の付加が需要増加に貢献
(「INDICATOR」2000年1月号掲載分より抜粋)
低価格PCやインターネットブームが引き金となり、これまでPCに触れたことがなかった初心者層へのPCの普及が進んでいる。その初心者が、PCを購入してまず最初にぶつかる壁といえば、キーボード入力であろう。そのため、このキーボード入力をマスターするために利用するタイピング練習ソフトの人気も、PCの普及に連動して急速に高まっている。タイピング練習ソフトが含まれる「トレーニングソフト」分野の99年12月の販売は、本数ベースで前年同月比88%増と大幅な伸長を遂げている。
タイピング練習ソフトで上位にランクインしているソフトのほとんどは、タイピング練習にゲーム性を取り入れたものになっている。その先駆けともいえるのがソースネクストの「特打シリーズ」で、発売以来安定した人気を獲得している。また、ゲーム性に加えて、「あしたのジョー」や「北斗の拳」、「エヴァンゲリオン」など、知名度の高いアニメーションを題材にしたソフトもここ最近は人気となっている。
そこで今回、タイピング練習ソフトの需要増の背景を探るため、ユーザーアンケートを実施した。
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[回答者のプロファイル]
取得方法:ホームページ「DailyBCN」でのアンケート
調査期間:1999年12月16日〜19日
有効回答数:764件
回答者の性別:男性67.5%、女性32.5%
「両手でオリジナル」のタイピングユーザーが過半数
まず、ユーザーのタイピング技能についてきいた結果、「タイピング時にキーボードを見るか」では、「ほとんど見ない」が32.6%でトップだが、「頻繁に見る」も28.4%で、ほぼ半々の結果となっている(グラフ)。また、「タイピングの指使い」では、「両手でオリジナル」が56.2%、「両手で正しく」が32.4%となった(グラフ)。
回答者に自己判定してもらった「自分のPCレベル」別にクロス集計すると、PCレベルの高い回答者ほど「両手で正しく」入力している比率が高くなっている(グラフ)。タイピング技術の向上がそのままユーザーの考えているPCレベルと連動していることになる。
全回答者に聞いた「タイピング練習ソフトの利用経験」では、「ソフトを購入して利用」が20.8%、「PCに付属していたソフトを利用」が11.6%、「会社や学校で支給されたソフトを利用」が10.0%で、これらを合計した「利用経験者」は42.4%であった(グラフ)。
ゲーム性付加がタイピング練習ソフトの需要引き上げる
タイピング練習ソフトの利用経験者に聞いた「タイピング練習ソフトを使い始めたきっかけ」では、「ソフトが面白そうだったから」が37.7%でトップとなり、「PCを使い始めたから」(24.8%)や「(タイピングの)癖を矯正したかったから」(23.9%)を大きく上回っている。タイピング練習ソフトにゲーム性が取り入れられたことで、単なるトレーニングソフトから、楽しみながら練習できるソフトになり、既存ユーザーも「遊びついで」で購入していることが結果にあらわれている。「タイピング練習ソフトにゲーム性は必要だと思うか」との問いに対しても過半数が「非常に思う」または「思う」と回答しており、これら「ゲーム性の高いタイピング練習ソフト」に、ユーザーの支持が集中しているといえるだろう。
利用者の9割弱が1ヵ月以内に技能上達
タイピング練習ソフトの利用経験者に、タイピング練習ソフトを使い始めてから「タイピングが上達したと実感した時期」を聞いてみると、35.1%が「1週間以内」と回答、次いで「3週間以内」(31.7%)、「1ヵ月以内」(22.1%)が続き、合計すると利用経験者のほぼ9割近くが1ヵ月以内にタイピングが上達したということになる(グラフ)。
以上のことから、ここ最近のタイピング練習ソフトの人気向上の要因は、(1)PC初心者の増加という市場環境、(2)ソフトを利用することで確実にタイピング能力が向上する実用性、(3)練習そのものが楽しくなるゲーム性の高いソフトの発売、などが相乗効果を及ぼした結果であるといえる。
今後も、この傾向が持続する可能性は高く、タイピング練習ソフトがソフト販売の底支えとなっていくものと推測される。
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