OSのバージョンアップの現状
自宅・会社ともに約5割がPC買い替えでOSをバージョンアップ
(「INDICATOR」99年12月号掲載分より抜粋)
OSの新バージョンの登場は、PCの買い替え需要だけでなく、新規購入需要を掘り起こす効果がある。その反面、新バージョンの導入に慎重な態度を示すユーザーも少なくない。そのようなユーザーには、安定性や使い勝手などの面が新バージョンへの移行の高いハードルになっている。新バージョンへの移行をユーザーはどのような時期に決定し、判断基準をどこにおいているのだろうか。そこでBCN総研では、「OSのバージョンアップについて」のユーザーアンケートを実施、自宅と会社で利用しているOSのバージョンアップの現状と、バージョンアップへの対応について調査した。その結果、会社より自宅の方がバージョンアップ意欲が高く、またWindowsよりMacOSユーザーの方が導入意欲が高いことがわかった。
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[回答者のプロファイル]
取得方法:ホームページ「DailyBCN」でのアンケート
調査期間:99年11月25日〜29日
有効回答数:1413件
回答者の性別:男性72.8%、女性27.2%
まず、自宅および会社において、回答者自身が利用しているOSを聞いた(グラフ)。その結果、自宅・会社ともにWindows系が80%を超えた。大きな差がみられるのはMacOS系で、自宅利用が13.0%であるのに対して、会社利用では5.0%にとどまっている。また、「複数」とした回答者については、自宅利用の3.4%に対して会社利用は6.9%で、Macの会社利用が自宅利用を上回っている。企業においてWindowsがOSのデファクトスタンダードとなっている現状を考慮すると、MacOSを中心に利用する会社でも互換性の問題などからWindowsを併用していると考えられる。
利用しているOSについてより詳細にみるために、「現在利用しているOSのバージョン」を聞いた(グラフ)。その結果、自宅利用では「Windows98」が56.8%でトップだが、会社利用では「Windows95」が43.8%で、「Windows98」の31.3%を10ポイント以上も上回る結果となった。「WindowsNT」との回答も、会社利用では15.6%で、自宅利用の1.8%を大幅に上回っている。
MacOSについては、「MacOS8」と「MacOS9」ではいずれも、自宅利用が会社利用よりも高い数値となっている。
■会社利用者ではWindows2000を「導入しない」が23.5%に
では、実際のユーザーの意識では、自宅利用と会社利用でどのような差があるのだろうか。WindowsとMacOSそれぞれのユーザーに、アップグレードに関する質問を実施した。
まず、現在、Windows98を利用している回答者に「Windows98の導入時期」を聞いた(グラフ)。その結果、自宅利用では「発売後1ヵ月以内」が17.0%、「発売後半年以内」が19.6%であるのに対し、会社利用では「発売後1ヵ月以内」は12.5%、「発売後半年以内」は17.2%であった。逆に「PC購入時に付属」とした回答者は、自宅利用が44.8%、会社利用は52.3%となった。自宅・会社利用ともに約5割が、OSのバージョンアップでPCを買い替えていると考えられる。今回のアンケートではその要因が、移行時のトラブル回避のためかどうか定かではないが、OSのバージョンアップがPCの需要に大きく貢献していることはわかる。
一方、Windows系OSを利用している回答者に聞いた「Windows2000の導入予定」(グラフ)では、「導入しない」とした回答が自宅利用の15.5%に対し、会社利用は23.5%となった。一般的にいわれるように企業ではOSのバージョンアップに消極的な傾向があらわれている。この理由としては、「OSのアップグレードは全社一斉に行うため、個人では導入決定できない」、「旧ハードに新OSを導入するのは安定性の面で不安がある」、「業務上の必要性が認められるまでは、予算がおりない」などの声があがっている。
■Windowsユーザーよりも新OS導入に積極的なMacOSユーザー
次に、Macユーザーに「MacOS8/9の導入時期」を聞いてみた(グラフ)。その結果、Windows98利用者の傾向と異なり、「PC購入時に付属」とした回答者は自宅利用が会社利用を若干上回った。また、「MacOS8発売後1ヵ月以内」に導入した回答者は自宅利用・会社利用共に20%を上回っている。
MacOS系を利用している回答者に聞いた「MacOS10の導入予定」(グラフ)についてでは、個人利用・会社利用共に「導入しない」とした回答者の比率は、「Windows2000」での同様の回答結果よりも低く、「発売直後」や「半年以内」に導入するとした回答率が高かった。
この理由としては、「MacOSは、バージョンが上がる度に多数の新機能が搭載されるため、アップグレードするメリットが高い」、「MacOSは、比較的古いハードでも安定して動作するから」との声が回答者からあがっている。ただし、MacOS10を発売直後に購入したいとした回答者の中には「現在のバージョンのOSに不満があるため」という意見もあった。
■差分ファイル導入は会社では「必要に迫られて」が32.3%
さらに、各OSメーカーがホームページなどで公開している、OS発売後のバグ修正や機能向上のための「差分ファイル」の導入についても全回答者を対象に聞いてみた(グラフ)。その結果、個人利用においては22.7%が「公開後すぐ」、27.1%が「若干の間をおいてから」と回答、ほぼ半数の回答者が積極的に差分ファイルを導入している。これに対し、会社利用では「必要に迫られて」との回答が32.3%で最も多かった。会社利用の回答者からは「差分ファイルを入れたことによるトラブルの可能性があるため、システム担当者が本当に必要だと判断するまでは導入できない」という声もあがっている。
これをOS別にクロス集計すると、自宅利用(グラフ)、会社利用(グラフ)共にWindowsNTとMacOSが、Windows95と98に比べて導入に積極的であることがわかった。
これらの結果から、新バージョンの導入だけでなく、差分ファイルの導入に対する意欲も会社利用のユーザーよりも、自宅利用のユーザーの方が高く、WindowsユーザーよりもMacOSユーザーの方が高いことがわかった。ただし、この要因はWindowsユーザーや仕事利用ユーザーでは、「新バージョンを導入することで発生するトラブルを避けるため」であり、MacOSユーザーでは「現在のバージョンでは不満があるため」など、導入や現状維持に対する不満意識が多数を占めている。このユーザー意識を「現状のOSで支障がない」、「新たな機能に魅力がある」などの肯定的なものに変えていくことが、それぞれのOSに求められているといえるだろう。
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