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過去のアンケート集計結果


ソフト入手方法についてのユーザーアンケート

ダウンロード製品との差別化が
パッケージ市場低迷脱出の鍵

(「INDICATOR」99年8月号掲載分より抜粋)


 ユーザーのパッケージソフトに対する意識を探るため、「アプリケーションソフトの入手形態などについて」のアンケート調査を実施した。その結果、@ソフトに対するユーザーの年間支出額は初心者ほど少ない、A今後、ビジネスソフトに費やす金額を現状並みに留めるとした回答者が過半数を超えた反面、現在よりも減額したいとする回答者が25%に達した、Bなんらかの形でフリーソフトやシェアウェアなどを利用している回答者が8割を占める、ことなどが明らかとなった。現在のPC需要を支えているPC初心者のパッケージソフト購入率の低さやフリーソフトやシェアウェアの台頭がパッケージソフト市場の低迷の要因と考えられる。今後の市場拡大には、増加する初心者に対し、パッケージの優位性をいかにアピールするかが、需要拡大のための必須条件といえよう。

[回答者のプロファイル]
調査期間:99年7月16〜19日
有効回答:726件
調査方法:「DailyBCN」によるWebアンケート
回答者の性別:男性76.4%、女性23.6%


■3割がソフト支出を減額する意向
 まず、アンケート結果をもとに、直近1年間にソフトに費やした金額(パッケージソフト購入、オンライン販売、シェアウェアフィーの合計)を、性別、PC利用歴別にクロス集計してみた(グラフ1グラフ2)。その結果、性別では、「5000円未満」が男性では20%弱にとどまっていたのに対して、女性では40%を超えた。PC歴別では、多少のばらつきはあるものの、PC歴の長さに比例して年間支出金額が高額になるという結果を示した。ちなみに、グラフには表していないがPC歴の短い回答者は、バンドルソフトの利用率が高く、使い始めた当初は、PC本体にバンドルされたソフトだけで満足してしまい、新たにソフトを購入することを最低限に抑制する傾向があることもわかった。
 「今後、ビジネスソフトにかける年間支出額を増やしたいか」(グラフ)との質問では、「現状並みにとどめる」が56.2%、「減額したい」が25.4%と続き、「増額したい」、「かなり増額したい」との回答は合計しても10%程度にとどまった。不況が続く中、ビジネスソフトに対しても支出を押さえようとするユーザーが多い結果といえるだろう。

■ダウンロード回数は倍増
 では、ビジネスソフトの支出を減額しようと考えているユーザーは、新たなソフト入手にあたり、どのような手段を講じているのだろうか。
 最も有力なのが、フリーウェア・シェアウェアだ。99年7月14日に総ダウンロード回数が1億回を達成した大手ダウンロードサイト、ベクターの発表によると、96年10月の調査開始後、5,000万回に達するまでにかかった期間が約23カ月であったのに対して、5,000万回から1億回に達するまでの期間は約10カ月であった。これを単純計算すれば、98年9月までは1カ月あたり約220万回だったダウンロード回数が、98年9月以降は約500万回と2倍以上に上昇したことになる(グラフ)。この急速なダウンロード数の増加について、ベクターでは「インターネット利用者層の増大に加えて、オンラインによるソフトウェアの入手がパソコンユーザーに広く認知され、浸透しつつあるためだ」と判断している。
 フリーソフト・シェアウェアは、サポートや信頼性の面でみれば、市販ソフトに比べて劣る。しかし、逆の見方をすればサポートや信頼性を重視しないで済むソフトなら、フリーソフトやシェアウェアでも十分だといえる。

■80%がフリーソフトなどを利用
 では、実際にユーザーはどの程度、フリーウェアやシェアウェアを利用しているのだろうか。まず、使用しているソフトの市販品(パッケージ、バンドル、パッケージ同等商品のダウンロード販売)と、それ以外(フリーソフト、シェアウェアなど)の比率を聞いた。その結果、「ほとんど市販品」と回答したユーザーは20%にとどまった。残りの80%のユーザーが何らかの形でフリーソフトやシェアウェアなどを利用しているという結果となった(グラフ)。
 参考までに同様の設問をゲームソフトについて実施したところ、「ほとんど市販品」は30%に達しているが、「市販品はほとんどない」も30%に迫るという、2極化の傾向を示し、ビジネスソフトと比較するとその分布は大きく異なっている。
 次に、ビジネスソフトのジャンルごとに、使用しているソフトの入手方法を、「パッケージ」、「市販品のダウンロード」、「シェアウェア」、「フリーソフト」、「バンドル」、「その他・言いたくない」にわけて聞いた(グラフ)。その結果、パッケージ購入による入手が最も多かったのは「DATA管理」で70%を超えた。また、「表計算」、「画像処理」、「文章作成」のジャンルではパッケージ購入が過半数を超えている。逆にパッケージ購入が少なかったのは、「ブラウザ」、「電子メール」、「アクセサリ」だった。全体としては、ビジネス目的に使用するソフトはパッケージ購入が多く、個人向けのソフトはパッケージソフトが少ない傾向にある。
 フリーソフトによる入手が最も多いのは「ブラウザ」。これは、ブラウザの主力ソフトである「InternetExplorer」と「Netscape」が共にフリーソフトであることが要因だ。  バンドルによる入手が多いのは「表計算」、「文章作成」、「アクセサリ」であった。このうち、「表計算」と「文章作成」については、最近のPC本体にはほぼ確実にバンドルされていることが要因だ。
 ダウンロード製品やシェアウェアソフトはパッケージ製品と同等の機能を有していても、その購入費用は安く済む。そのため、今後はインターネットに慣れた初心者層を中心にダウンロード市場は一層拡大し、パッケージソフト市場を圧迫していく可能性が高い。
 現在のPC市場全体の拡大に貢献しているのは、ビジネス目的のユーザーではなく、PCを趣味に利用したいとする初心者層であるといわれている。彼らにパッケージソフトがダウンロード製品やバンドルソフトと比べて、どれだけの優位性があるかアピールすることが、パッケージソフトの市場回復には必要だ。あるいは、逆にダウンロード製品をパッケージ製品のマーケティング戦略に利用する方法も考えていく必要があるだろう。


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