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過去のアンケート集計結果


カラーバリエーション増加について

(「INDICATOR」99年3月号掲載分より抜粋)


 斬新なデザインで一躍ヒット商品となった「iMac」の後継モデルが今年1月に5色のカラーバリエーションで登場し話題を呼んでいる。こうしたカラーモデルの増加は、初心者や女性ユーザーの開拓に大きく貢献し、リテール市場の需要回復の原動力になったといわれる。今回、BCN総研では、「PC関連機器のカラーバリエーションの増加とデザイン」について、ユーザーおよび販売店を対象にアンケート調査を実施した。その結果、PCにも家電やインテリアなどと同様のデザイン性が求められ、カラーモデルの登場がPCの家電化の流れを加速させるという図式がみえてきた。反面、カラーバリエーションによる品種の増加により、在庫調整の問題も浮き彫りになっている。特に設置場所やユーザーの意識で好みの色は変わるため、現状とは異なる流通体制を採らなければ人気のない色の不良在庫が発生しかねない。ユーザーからも不良在庫の発生に伴う処分コストが製品の価格に上乗せされることを危惧する声も出ている。
 「iMac」が牽引材料となって始まったカラーブームだが、このブームを一過性のもので終わらせないためには新たな流通施策が必須であるといえるだろう。


[ユーザーアンケートのプロファイル]
取得方法:ホームページ(DailyBCN)でのアンケート
調査期間:99年2月18〜22日
有効回答:1845件
回答者の性別:男性67.2%、女性30.5%、無回答2.3%
回答者のPC歴:2年未満14.8%、4年未満23.1%、6年 未満17.2%、8年未満7.1%、10年未満4.3%、12年未満12.2%、15年未満5.3%、15年以上15.3%、無回答0.7%
回答者が主に利用しているOS:Windows系86.8%、MacOS系11.6%、その他1.6%


■「iMac」の販売動向とユーザーアンケートにみるカラー化の影響  まず、同一スペックで5色のカラーバリエーションで話題になっている「iMac」の販売動向をBCNランキング(BCN Market View)でみてみよう(グラフ)。5色合計ではデスクトップのカテゴリで30%ものシェアを獲得する人気ぶりだが、色別にみた売れ行きでは差が出始めている。「iMac」の色別にみた販売構成比率推移をみると明らかで、「ブルーベリー」が、発売当初から常にトップを維持、他の4色を大きく上回っている。逆に、最も動きの鈍いのが「タンジェリン」で発売当初は「ブルーベリー」に3倍近い差をつけられている。現在でも、「ほかの4色は取り寄せで2週間程度の入荷待ちだが、タンジェリンだけは即納できる」という状況が各地の販売店で続いている。
 この色による売れ筋の違いは、NECの「VALUESTAR NXシリーズ」にもでている。同シリーズは、年末商戦から「スタイリッシュグレー」、「ミストホワイト」の2色を販売しているが、「スタイリッシュグレー」が飛びぬけて売れている。だが、同モデルの発売当初にNECでは、販売店のヒアリングや市場調査の結果、「ミストホワイト」が人気となると予想し、「ミストホワイト」が7割、「スタイリッシュグレー」が3割の比率で生産を開始。その後、実際の販売で「スタイリッシュグレー」が伸びたことから、徐々に生産比率を変更し、現状は、3:7で「スタイリッシュグレー」の生産が多くなっているという。色による販売動向の違いをみる好例といえるだろう。
 色による好みの違いを探るため、Web上で「PC関連製品の色について」のユーザーアンケートを実施してみた。設問の一つとして「iMac」を例に「好きな色」を回答者に聞いたところ(グラフ)、全体で23.7%のユーザーが「ブルーベリー」と回答、その人気の高さが読みとれる。これを性別でみると(グラフ)、「ライム」と「旧iMacの色である「ボンダイブルー」は男性に人気があり、「ストロベリー」は女性に人気があることがわかった。一般的に男性は青系、女性は赤系が好まれるといわれているが、今回の「iMac」の色についての設問でもそれに準ずる結果となった。
 また、この結果をユーザーが使用しているOS別にみると(グラフ)、Windowsユーザーの24.5%が「ブルーベリー」を選択しているのに対し、Macユーザーは16.4%にとどまるという興味深い結果を示した。逆に全体的に人気の低い「タンジェリン」や「グレープ」を選択した回答者は、WindowsユーザーよりもMacユーザーの方が多かった。
 さらに、「iMac」の人気によって、周辺機器メーカーからもカラーバリエーションを持つモデルが発売されるようになったことへの評価を聞いたところ(グラフ)、「非常によい」が48.0%、「良い」が40.3%と、全体の9割近くが好意的な見解を示していることがわかった。この傾向は、女性回答者ほど強く、女性だけを抽出したデータでは、「非常によい」だけで過半数を超える53.4%に達し、パソコン関連機器のカラー化に対する女性の評価の高さを示す結果も出ている。また、全体的にみれば、PC歴の浅い初心者ほどバリエーション増加に肯定的な回答が多く、上級者になるほど少ないという傾向を示している。アンケートのフリーアンサーでも「これまでのPCはビジネス機器としてのイメージしかなかったが、カラフルになったことで、趣味や遊びのためのPCになった」、「すでに機能での差はほとんどなくなっているため、今後は機能以外の要素が購入機種決定の重要な要因となる」などの声が多く上がっている。
 これらの結果から、PC関連製品のカラーバリエーションの増加は、ユーザーにPCをより身近なものに感じさせ、初心者や女性層など、利用者層の裾野拡大に寄与していると判断できる。
 だが、パソコン関連機器のカラー化について「悪い」、「非常に悪い」としたユーザーからは、「カラーバリエーションが多くなることは生産コストの増加につながり、最終的に価格が割高になる」、「リサイクルによる部品の再利用化の足かせとなる」などの意見も出ている。また、クリエイター系が多いMacユーザーからは、「仕事でカラーコーディネイトを考えているときは、視界の中にiMacのような色があるとイメージがその色に惹かれてしまって邪魔になる」とのコメントもあった。
 さらに、今回のアンケートでは、「事務所」、「店頭」、「洋間」、「和室」、「子供部屋」など、設置場所によるPCのデザインについてのイメージ調査も行った(グラフ)。その結果を見ると、まず、「事務所」に設置するPCの色では、「白系」が58.1%で過半数を超え、次いで「黒系」でが人気となり、いわゆる色のない無彩色が好まれている傾向を示した。「白系」、「黒系」は従来製品に最も多い色であることから、ユーザーはこれまでのPCをビジネス用途の製品であるととらえているようだ。また、「店頭」でも「白系」は高い数値となったが、「赤系」、「青系」など比較的に派手な色も高い。これは、店頭で利用する場合、そのほとんどは宣伝用途であるため、通行人の目を引く色がよいと考えられることを意味している。
 一方、家庭内でみると、「洋間」では、「黒系」、「青系」が人気となった。「白系」、「緑系」、「メタリック」も10%を超えている。そして「和室」では、「洋間」と同様に「白系」、「緑系」、「黒系」の人気は高いが、「メタリック」や「青系」を選択する回答者はほとんどなかった。逆に「和室」で多かったのが「紺系」。どちらかといえば、和室では地味な色合いが好まれているといえるだろう。さらに、「子供部屋」では、「洋間」や「和室」で回答が少なかった「黄系」、「赤系」、「橙系」という回答が多いことが目立つ。「緑系」や「青系」も人気で、全体としては派手な色が好まれている。玩具など子供向けの製品では、これらの配色が多ことから、PCに関しても、子供向けには同様の色使いが求められているといえそうだ。
 参考のため、回答者全員に「好きな色」についても聞いてみた。この結果、「青系」を好む回答者が他を圧倒した。しかし、これまでのPCの色についてのアンケート結果と比較してみると、必ずしも好きな色がPCに適している色であるとは判断していないことがわかる。また、各設置場所別にPC本体の形状を「角張った形」、「中間」、「丸みを帯びた形」の三者択一で聞いた(グラフ)。これを数値化した「丸み度合い」では、「事務所」を除いたすべての設置場所で数値がプラスとなった。特に「子供部屋」ではその数値が高い。これは、「子供の教育玩具としてみた場合、まず子供に好かれる形状でなければ、使い続けてもらえない」ことや、「角張った形では、子供がぶつかったときに危険」などの意見があった。
 これらを総合すると、ユーザーが望む色や形状は設置場所により異なり、家具や家電製品と同様にインテリア性を意識していることが明らかになった。


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